アラサー女趣味丸出しブログ

映画、ドラマ、漫画など好きなものを語ったり、感想記事を書いています。

【ダイナソー】ディズニー第二暗黒期のはじまり【感想】

ダイナソー

原題:Dinosaur (2000年公開)

 

記念すべき最初の記事はディズニー映画『ダイナソー』です。

この映画を最初の記事に選んだ理由は、私が初めて映画館で鑑賞した映画だからです。

吹き替え声優に袴田吉彦江角マキコを起用したり、マクドナルドのハッピーセットのおもちゃになったり、公開当時はかなり話題になっていた気がします、多分。

実写の背景にCGのキャラクターを合成するという、当時では最新の映像技術を駆使して制作され、映像革命とも謳われていました。

扱っているテーマも当時のディズニー作品の傾向で重めで、見応えがありました。

しかしこの映画、かなりお金をかけて創られているのに評価が低め。

知名度も低く、知る人ぞ知る的な映画。商業収入は決して悪くなかったのですが、この作品以降、ディズニーは第二の暗黒期に突入しました。

 

 

 

あらすじ

かつてこの大地に想像を絶するドラマがあった。

日本版のキャッチコピーを引用しました。

 ストーリーの舞台は白亜紀末期。主人公のアラダーは卵の時に翼竜に攫われて、キツネザルの一家に育てられたイグアノドン。アラダーはキツネザルたちが暮らす小さな島で、キツネザルたちに囲まれて平和に暮らしていましたが、地球に巨大隕石が衝突した事によって起こった災害で住処を奪われてしまいます。生き残ったキツネザルの家族と安息地帯を求めて彷徨っていると、自分達と同じように生き残った草食恐竜たちの群れと出会います。群れが「命の大地」と呼ばれる安息地帯を目指していることを知り、アラダーたちは群れに合流することにします。

 群れのリーダー、クローンの弱者は見捨てる弱肉強食主義に賛同できないアラダーは、群れのスピードについて行けず遅れをとってる高齢の恐竜、イーマ、ベイリーンと行動を共にします。高齢の恐竜たちや力の弱い子供たちにも手を差し伸べる優しいアラダーに、クローンの妹ニーラは惹かれていく。アラダーとニーラは少しずつ心を通わせ始めます。

 しかし獰猛な肉食恐竜カルノタウルスの牙から逃れながら、安息の地「命の大地」を目指す。 

 

 

 

とにかく音楽がいい!!

壮大で伸びやかな音楽。この映画のサントラを聴くと鳥肌が立ちます。

美しい映像に壮大な音楽。特に開始5分くらいから流れ始めるメインテーマは最高です。

翼竜が卵を咥えて海を渡るシーンは、幼い頃スクリーンで観て以来忘れられないものになりました。

バラエティー番組などでもよく使用されている曲なので、聞き覚えがあるかもしれません。

群れが命の大地を目指す時に流れる曲も最高です。過酷な旅を厚みのあるオーケストラで見事に再現しており、音楽をバックに恐竜の群れがカンカン照りの砂漠を進んで行くシーンは最高です。

この音楽が聴きたいがために、ダイナソーを見たくなります。

 

主人公がいい奴なんだなあ……

主人公アラダーが本当にいい奴で、真面目。超優等生。お年寄りや小さな子供に優しくて、誠実で親切。アラダーが人間なら、ぜひこんな人と結婚したい。私の中で結婚したいディズニーキャラクターNo. 1です。

ただ、映画の主人公にしておくには、ちょっと退屈なんだよね、ごめんよ。

ただ、子供向けの映画だし、このくらいいい人の方が子供たちにいい影響を与えられるかもしれませんね。

あと、日本語吹き替え版キャストの袴田吉彦がイケボです。声優に転向したらいいのに。

 

 

 

ディズニー映画だからハッピーエンド

 クライマックス、アラダーたちの群れはカルノタウルスに追い詰められ絶体絶命のピンチに追い込まれます。カルノタウルスは群に喰らい付こうとし、群れの恐竜たちは恐怖から散り散りに逃げようとします。しかしアラダーは「バラバラになったら狙われる、みんなで立ち向かうんだ!」と、超根性論をかまします。そしてど根性でカルノタウルスに向かって威嚇。群れが一丸となって威嚇するので、カルノタウルスは勢いを無くし、群れの恐竜を襲えませんでした。

 壮大な音楽が流れ、沢山の恐竜が命をかけて雄叫びをあげる迫力満点、胸熱シーンは一番の見どころと言えます。すばらしいシーンです。みんなで団結して立ち向かえば、未来を切り拓ける、と言う展開はディズニーらしいですね。

 もちろんラストもハッピーエンド。隕石衝突後、それに伴う災害や気候変動によって恐竜たちは絶滅への道を辿るのですが、映画のラストシーンはアラダーとニーラの子供が卵から孵り、命の大地で生まれたであろう恐竜の子供たちが元気に走り回り、まるで映画の冒頭シーンのようです。まさにサークルオブライフですね。

 

 

とにかく、一度観てほしい。

恐竜が喋る子供向けの映画ですが、テーマは重いので大人も楽しめます。

隕石落下による災害や気候変動に運命を左右されながらも懸命に生きる恐竜たちの姿に、この後彼らを待ち受けている絶滅。物語はもちろんハッピーエンドですが、ディズニーらしからぬ仄暗い印象を受けます。この頃のディズニーは、ノートルダムの鐘やポカホンタスなど死の描写のある作品を手がけていて、ちょっと重いテーマを扱っています。この頃の作品大好き。

本作では、明確なヴィランがいないことも魅力の一つです。一見悪者に見えるカルノタウルスですがアイツらだって生き残るのに必死なだけで、別に意地悪でやっているわけじゃないし。クローンも言ってることは間違いじゃない。むしろアラダーの方がこの非常時に何呑気なこと言ってんた、この脳内お花畑ちゃんめ、ですよね。そこがアラダーの魅力です。

尺も短いしわかりやすいストーリーなので何も考えずに観ていられます。難しい映画ばかり観て疲れた時におすすめです。